レシピ集

「オーベルジュ・エスポワール」オーナーシェフで、NPO日本ジビエ振興協議会・理事長の藤木シェフによるジビエ料理のレシピをご紹介します。(2015年9月開催の「奥三河つぐ高原マルシェ 秋の収穫祭」で実施された藤木シェフによる「ジビエ講習&試食会」のレシピです)

藤木 徳彦

藤木 徳彦(シェフ)

地域の食材と環境を活かして、そこでしか味わえない美味しい料理や、そこでしか楽しむことのできない空間でのおもてなしを提唱、「地産池消の仕事人」として全国各地で地域の魅力を発信するための助言を行っている。2008年農林水産省「地産地消」仕事人に認定。
フランス料理 オーベルジュ・エスポワール

鹿すじ肉の水煮

ジビエは筋肉質なので、塊肉も挽肉のお料理でも、加熱のし方が美味しさのポイントになります。
スチームコンベクションオーブンを使うと、かたいすじ肉もプリプリと柔らかい食感になります。
薄い塩味で作り置きすれば、カレーやシチュー、肉じゃがなどいろいろなお料理に使えます。

〈材料・4人分〉

鹿すじ肉  500g
食塩    2.5g(肉の分量の0.5%)
サラダ油  5g

〈作り方〉

  1. 鹿肉のドリップを流水で洗い流し、20g~25gのサイコロ状にカットする。
  2. 鹿肉に塩を振り、ホテルパンに広げる。
  3. スチームコンベクションオーブンをスチームモード85℃に設定し、5分ほど加熱し、冷却する。
  4. 真空袋に鹿肉を入れ、サラダ油を入れる。
  5. スチームコンベクションオーブンをスチームモード90℃に設定し、3時間加熱して、袋ごと冷却する。

 

鹿肉のポワレ

パサつきやすい鹿肉を柔らかく調理する基本的な方法です。
ポワレをしっかりとマスターすれば、ステーキだけでなく、燻製やタタキなどさまざまなジャンルのメニューに応用できます。

〈材料・4人分〉

鹿ロース又はモモ肉 1人分 ・・・100g
無塩バター ・・・30g
塩・白胡椒 ・・・適量

〈作り方〉

  1. 鹿肉に塩と白コショウで下味をつける。
  2. フライパンが冷たい状態でバターを入れて弱火にかけ、少し溶けたら鹿肉を入れ、溶けたバターをスプーンで絶え間なく回しかける。
  3. 肉の表面の色が白っぽく変わったら、肉を裏返し、バターをすくって絶え間なく回しかける。これを5回ほど繰り返す。
  4. 金串を肉の中心に刺して4~5秒したら下唇に当て、体温より少し熱いと感じる程度になったら焼きあがり。
  5. 火を止め、焼いた時間と同じ時間フライパンの上で休ませる。耐熱皿に移して休ませてもよい。

 

〈ポイント〉

焼く時の油の種類…植物性? 動物性?
アロゼ     …脂を回しかけながら火入れする
ルポゼ     …焼いた時間だけ休ませる
セニャン    …ミディアムで焼く

猪モモ肉のトマトソテー

鹿モモ肉のスライスは、調味液に漬けた後、片栗粉やコーンスターチをまぶして炒めると、やわらかく舌触りもよく仕上がります。

〈材料・4人分〉

猪モモ肉スライス 500g

★調味液
 砂糖     30g
 塩      5g
 サラダ油   50ml
 バルサミコ酢 30ml

片栗粉     30g
プチトマト   12個
ニンニク    2片
鷹の爪     1/2本(種を取る)
オリーブオイル 大匙3
塩       適量

〈作り方〉

  1. ボウルに調味液と猪肉を入れて10分ほど馴染ませ、片栗粉をまぶしておく。
  2. フライパンにオリーブオイルと半割にしたニンニクと鷹の爪を入れ、香りがでるように弱火で加熱する。
  3. 1.を加えて炒め、火が通ったら半分に切ったトマトを加え、塩適量で調味する。