「オーベルジュ・エスポワール」オーナーシェフで、NPO日本ジビエ振興協議会・理事長の藤木シェフによるジビエ料理のレシピをご紹介します。(2015年9月開催の「奥三河つぐ高原マルシェ 秋の収穫祭」で実施された藤木シェフによる「ジビエ講習&試食会」のレシピです)
鹿すじ肉の水煮
ジビエは筋肉質なので、塊肉も挽肉のお料理でも、加熱のし方が美味しさのポイントになります。
スチームコンベクションオーブンを使うと、かたいすじ肉もプリプリと柔らかい食感になります。
薄い塩味で作り置きすれば、カレーやシチュー、肉じゃがなどいろいろなお料理に使えます。
〈材料・4人分〉
鹿すじ肉 500g 食塩 2.5g(肉の分量の0.5%) サラダ油 5g
〈作り方〉
- 鹿肉のドリップを流水で洗い流し、20g~25gのサイコロ状にカットする。
- 鹿肉に塩を振り、ホテルパンに広げる。
- スチームコンベクションオーブンをスチームモード85℃に設定し、5分ほど加熱し、冷却する。
- 真空袋に鹿肉を入れ、サラダ油を入れる。
- スチームコンベクションオーブンをスチームモード90℃に設定し、3時間加熱して、袋ごと冷却する。
鹿肉のポワレ
パサつきやすい鹿肉を柔らかく調理する基本的な方法です。
ポワレをしっかりとマスターすれば、ステーキだけでなく、燻製やタタキなどさまざまなジャンルのメニューに応用できます。
〈材料・4人分〉
鹿ロース又はモモ肉 1人分 ・・・100g 無塩バター ・・・30g 塩・白胡椒 ・・・適量
〈作り方〉
- 鹿肉に塩と白コショウで下味をつける。
- フライパンが冷たい状態でバターを入れて弱火にかけ、少し溶けたら鹿肉を入れ、溶けたバターをスプーンで絶え間なく回しかける。
- 肉の表面の色が白っぽく変わったら、肉を裏返し、バターをすくって絶え間なく回しかける。これを5回ほど繰り返す。
- 金串を肉の中心に刺して4~5秒したら下唇に当て、体温より少し熱いと感じる程度になったら焼きあがり。
- 火を止め、焼いた時間と同じ時間フライパンの上で休ませる。耐熱皿に移して休ませてもよい。
〈ポイント〉
焼く時の油の種類…植物性? 動物性? アロゼ …脂を回しかけながら火入れする ルポゼ …焼いた時間だけ休ませる セニャン …ミディアムで焼く
猪モモ肉のトマトソテー
鹿モモ肉のスライスは、調味液に漬けた後、片栗粉やコーンスターチをまぶして炒めると、やわらかく舌触りもよく仕上がります。
〈材料・4人分〉
猪モモ肉スライス 500g ★調味液 砂糖 30g 塩 5g サラダ油 50ml バルサミコ酢 30ml 片栗粉 30g プチトマト 12個 ニンニク 2片 鷹の爪 1/2本(種を取る) オリーブオイル 大匙3 塩 適量
〈作り方〉
- ボウルに調味液と猪肉を入れて10分ほど馴染ませ、片栗粉をまぶしておく。
- フライパンにオリーブオイルと半割にしたニンニクと鷹の爪を入れ、香りがでるように弱火で加熱する。
- 1.を加えて炒め、火が通ったら半分に切ったトマトを加え、塩適量で調味する。